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PG三昧

30代ポルノグラフィティファンの徒然
卒業式
今日は長男の小学校の卒業式。
心配だったお天気もなんとか持ち、私は5年ぶりに着物なんか着ちゃって参加した。
早朝からの着付け、髪のセットはきつかったけど、久々におめかししてちょっと嬉しかった。

長男は、実は軽度ではあるが、発達障害がある。
聞いたことあるかな?
アスペルガー症候群っていうんだけどね。体はなんともない、健康体なんですけどね、
人とのコミュニケーションをとるのが下手なんです。それも、ちょっとすごいレベルで。
神様は、彼に字を読んだり、興味のあることはすごい記憶できる能力を与えてくれた代わりに、
耳から聞く情報の整理が出来なかったり、集団の中にぽつんと置かれると、どういう風に振舞っていいかわからなくなって、パニックになったり、予定が急に変わるとそれに全然対応できなかったり、ちょっぴり普通の人と違うようにおつくりになったらしい。
”みんな”と呼びかけられることは、自分のことではない。
忘れ物が多い最大の理由は、学校で、明日持ってくるように、と言われたことをちゃんと聞けていないことが、殆どだった。
人の気持ちを考えることも苦手。表情を理解するのも苦手。
自分じゃない人の気持ちがどうしてわかるの?どうして普通の人は、わかるの?
それは、どの程度はっきりわかっているの?僕には決められない・・・・
ま、その通りなんだけどね・・・。
私たちが教えられずに、本能的にわかることを彼は特別に教えないといけない人なんです。
知能に障害はないから、一見普通に見えるし、普通の社会で暮らしていかないといけないんだけど、とにかく、”普通”の生活は、彼にはいちいち学習しないと参加できない世界。
だから、小学校は大変だった。
知らない人には、超わがままなしつけのなっていない子供にしか見えないからね。

最初の学校は、先生、クラスメートに理解されず、居場所がなくなり、転校。
ま、私立の厳しいところに入れた親の私たちが悪かったんだけどね。
小学校2年生で、学校から電話を職場にかけてきて、学校やめさせて、死にたいって言った彼。”君には本をこの学校ではもう読まさない。”と言われ、集団活動のときは、邪魔になるから別室に一人隔離され、友達は全くいなくなっていた。
よく教えてくれたよ、あんた。今でも、あの時、あのままにしてたら・・・と思うとぞっとします。
次の日に、学校を辞めて、今の学校へ転校。
ここでも、結構大変だった。今度は自由すぎて、全然授業に参加せず、本ばっかり読んでた。
先生にもいっぱい迷惑かけた。そんな不安定な状態で、アメリカにも行った。
ただでも順応できない彼にとって、最初学校に行くことはすごい恐怖だったと思う。
でも、学校に行っただけで、恐ろしく褒めてくれる先生の中で、彼は心を開いていった。
背の大きな、黒人のいじめっ子たちに蹴られたりした時にも、先生に一生懸命知らせようとして、それが出来た日。いじめられた云々より、それを伝えられたことに先生も私たちも褒めまくり、彼はすごい自信がついたらしい。
彼のように、その蹴ってくる子らも人とのコミュニケーションがうまくとれない子たちだった。
帰国する頃には、一番の仲良しになった。ゲームや共通の興味のあることを時間をかけて、先生も手伝ってくれて見つけたようだった。アメリカで、発達障害の専門のクラスに入って彼はすごく変わった。
発達障害があることを、彼に告知したら、
”ずーっとみんなと違うと思っていた。みんな僕のわからない暗号を知らないところでみんなは使っていると思っていた。そうか、僕は、自分の脳が腐っていると思っていた。ショックやけど、もっと、早くそのこと、教えて欲しかった。”と涙を流したけど、受け入れてくれた。
それは、多分一生治らないけれど、それは個性。
みんなと違うけど、それは恥じることではない、とアメリカの先生たちは彼に教えてくれた。
彼はもっと変わった。苦手なことにも向き合おうとするようになった。
嫌いな授業、よくわからない何のためにするか彼にはよくわからない活動、知らない人、場所、どうすればいいかわからない集団競技。
とりあえず、参加した。時には、興味を拾ってきた。本を読んじゃうこともあったけど、そこにいることに集団では、意味があると思うようになってくれた。

そして帰国。変わり者の、宇宙人のような、相変わらず本ばっかり読んでいる息子を先生も同級生も自然に受け入れてくれた。

彼は、辛い時、どうしていいかわからない時に本を読むことだけが、彼の安心できる場所で、そこに逃げてしまうんだけど、高学年になってからは、我慢をすることができるようになり、人並みに勉強もするようになり、周りは、息子の参加できるパターンを見つけてくれた。
時には、いらいらもされていたみたいだけど、彼もそうやって特別扱いされない方がむしろ嬉しかったようだった。
クラスには、まだ名前と顔が一致しない人が、彼にはいる。普通人の私にとっては驚愕である。
彼がわかるのは、仲良し(2人)と彼が苦手と思う人だけ。
彼は、自分がやる意味があると思う授業だけ、本を読むのをやめて参加する。おもしろくないと本を読む。
彼は、鮮明なものしか頭になくて、あいまいな、中間のことが頭に残らない。
それを知る先生や同級生は、彼が参加すると、”よし。”と喜び、彼が名前を覚えていると、驚いてくれたり。彼が真っ白な紙を前にすると固まってしまい、できない図工や係活動は、手伝ってくれたり、彼にわかりやすく教えてくれたらしい。
同級生は、息子の発達障害のことははっきりしらないけど、体験でわかっていたらしい。
なんとなく違うと。それを温かく見守ってくれたクラスメート。
子供ってすごい、本当にありがたい存在でした。
卒業式に普通の子と同じように参加し、歌を歌い、別れの言葉のシュプレヒコールを同じようにしていた。普通のことなんだけどね、彼にとってはすごいことなんです。
昔の彼なら、間違いなく、その横で本を読んでただろうから・・・

母、号泣でした。
色々助けてもらったり、やらかしてくれたり激しく怒ったことも一緒に泣いたこともぐるぐる回って、その中で聞く”巣立ちの歌”は、やばかったです。ほんとに。

そして、教室で、彼は黒板に書かれた詞を読んで泣いていた。

鳥は飛べるけど、僕は飛べない。僕は地面をうまく走れるけど、鳥は走れない。
魚はうまく泳げるけれど、僕はあんなに長くは潜れない。
でも、みんな違って当たり前、みんな違うからいいんだよ。
という意味の詞だった。

他の子たちも、たくさん泣いていた。
今の子供たちが、こんなに泣くなんて・・・
母親たちも号泣でした。

よくがんばったと思う。私が、ライブやポルノや自分の趣味に目を向けられるようになったのも、
仕事で、また頑張れるようになったのも、彼の成長のおかげ。

また、中学は最初大変だろうけど、お互いがんばろな。
また、最初はわかってもらえるように一から出直しやけどな。
知っている友達もいるもんな。大丈夫。ゆっくりやっていこな。

卒業おめでとう。6年間、ご苦労さん。
by minamipatho | 2006-03-23 22:05 | 子供
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by minamipatho
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